数年ぶりに会った同い年の友人は、長年勤めた会社をやめ新たに国家資格を取得し、就活していました。けれども、その国家資格をどう活かせいけばいいのか、とても悩んでいました。自分にできるのだろうか、と不安に考えてしまい、どの方面に対してもシックリ来ないのだと言います。その根底には、自信のなさが伺えました。
申し分ない経歴のはずなのに。とても素敵に歳を重ねているのに。子供もほぼ手を離れ、もう気負うことなく自分の毎日を楽しんでいいはずなのに。
自信がないように見えることを伝えると、「私は親から大切にされすぎたのよね」と。若い頃、親から守られている安心の中にあり、きっと大きな冒険や挑戦はして来なかったのでしょう。いわゆる『過保護』だったのかもしれません。考えてみれば、彼女のコミュニケーションの特徴は、相手との距離の取り方にあります。自分のテリトリーには入らせないし、自分も入っていかない。だから、とても聞き上手だし絶対に敵を作らない。その距離感は、彼女の強みともいえるのですが、実は自信のなさから自分を守ろうとした結果だったようです。親御さんも、我が娘が傷つかないよう大切に大切に育てたことが、まさか娘の自信を育むことを阻害しようとは、思いもよらなかったでしょう。
思い返せば、これまで当たり障りない近況報告しか話したことがなかったかもしれない私たち。別れた後、彼女からメッセージが届きました。「私が自信がないのは、自分に対して求めることが高いからかなと、歩いていて思ったわ。気付かせてくれて、向き合い考える時間をありがとう」と。
彼女が自分のできている事、頑張って来たことを自分で認め、本質に返ることができますように。そして、せっかく取得した国家資格を活かせる道を見出せるよう、心から願っています。