以前、メールやLINEによる『クレーム対応の代行』なる仕事を請け負っていた時期がありました。
お客様の『損害』『心労』がかなり大きく、こちらの対応次第で即訴訟に発展してしまう可能性の高い案件でした。(苦情の意味合いが強い一般的な“クレーム”とは違い、本来の意味に近い)
怒り心頭だったり、不安でパニックになっておられるお客様からのメールやLINEなどへ返信するため、朝も夜も関係なく毎日のように文章を考える日々が1年半続きました。
そういうお客様への対応代行を、複数件同時に請け負っていたのですが、担当させていただいたお客様は、その期間はすべて訴訟を未然に防ぐことができました。
それはそれは激しく罵詈雑言を投げかけて来られる方もいらっしゃいましたが、決して言葉通りには受け取ることはせず、それよりも、なぜこんな言葉を使われるのか、なぜこんな酷い表現をされるのか、その言葉の裏側にあるお客様の悔しさ、悲しさ、絶望感などの感情を、とにかく一番に受け取っていました。そして、そこに対する共感やフォローを必ずしました。
いわゆる『寄り添う』というものですが、何に対して寄り添うのか。それは、お客様が一番訴えたかった“感情”に寄り添うのです。一番訴えたかったのは、その言葉通りの内容ではなく、『そういう状態にある自分の感情を理解してほしい』ということなのです。
そこが理解できると、他の人間関係のトラブル解消などにも役に立つようになってくると思います。