『女性が活躍する世界』にするために

来る3月8日は、国際女性デーです。私が社会人になった30年ほど前からすると、今やあらゆる分野で、活躍する女性の存在は珍しいものではなくなりました。2016年に女性活躍推進法が施行(2022年改正)されてからは、『女性活躍』をスローガンに掲げるなどの動きが社会全体で活発になったことは記憶に新しいところです。

この動き、というより、『思想』自体は素晴らしいものだと私は考えております。けれども実際には、企業など圧倒的に男性管理職が多い状況の中で、女性活躍を謳いながらも、なぜそうしなければならないのかがイマイチ理解されていないように感じております。

そもそも女性活躍推進法は、労働環境や休暇制度などが整っていないが故に、能力を発揮できていない女性たちが、本来の能力を活かせるよう改善するために作られたものです。女性にとっては、やっと自分たちのためにできた制度なのですから、歓迎するふしはあったでしょう。けれども、しばらくすると「制度だけではどうにもならない」と女性たちは気がつき始めました。(いえ、最初から気づいていた方もいたでしょう)

考えてみれば、これまで男性優位な社会に慣れ親しんできた男性にとっては、なぜこういった制度が作られなければならなかったのか、その背景や女性の状況などに意識を向けたり、自分ごととして捉えたりする機会はあまりなかったかもしれず、制度の意味や意義などを芯から理解した人がどれほどいたのか、とても興味深いところです。よく理解せずとも「国がそう言い出したからには従わなければ」と、まずは女性管理職を数字の上で増やそうとした企業は少なくなかっただろうことは容易に想像できます。

これは、「理解できない男性が悪い」という話ではありません。女性を本当に活躍させる環境を作るには、制度を整えたり女性管理職を増やす、という目に見えるところの改善はもちろんですが、それと同時に、これまで当たり前にされてきた『常識』『慣習』こそ見直し改善されるべきだ、と私は考えるのです。「女性とは」「男性とは」「母親ならば」「妻ならば」「嫁ならば」「父親とは」「夫ならば」「婿ならば」など、長い歴史の中で築かれてきた『常識』なるものや自らの『思い込み』を認識するためにも、一度すべてを言語化し、それらを全部ぶっ壊し、「では、どうあるべきか」を徹底的に考えてみる、ということを、国民誰もが一度は経験する、という目に見えない部分の『改革』も併せてする必要がある、と私は思っています。

このテーマはとても根が深く、安易に取り上げることは憚られるのですが、それでも、女性活躍を目指す企業からのご相談を受ける立場でもあることから、今回はあえてテーマにしてみました。

【余談】本日、ワタクシ53回目の誕生日でした。お祝いしてもらえるって、幸せなことですね。ワタクシも、まだまだ『活躍』する女性を目指しますわよ。

★★★

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